「栄養素」と「栄養」
同じ言葉のように見えますが、実は明確に違いがあります。この2つの言葉を混同していたり、誤って認識していることが見受けられます。
ここでは、基本的な「栄養素」と「栄養」について説明していきます。
栄養素とはなにか
栄養素とは、食べ物の中に含まれている物質のことです。
人間は、生命活動を維持するために、食品に含まれる栄養素を摂取し続ける必要があります。具体的には、たんぱく質、脂質、カルシウム、鉄などのことです。
これらの食品に含まれている栄養素から、筋肉、脂肪、骨などをつくります。
栄養素には、大きく3つの働きがあります[1]タニタ『健康のつくり方』。
- エネルギー源になる
- 体の組織(筋肉、血液、骨など)をつくる
- 体の調子を整える
栄養ドリンク剤などを利用すれば、必要な「栄養素」は摂取できます。
しかし、それだけでは健康にはなれないのです。
そこで知っていただきたいのが、「栄養」という言葉です。
栄養とはなにか
栄養とは、これらの栄養素を原料にして、消化・吸収・代謝・排泄などを行い、栄養素を身体の中で活用し、生命活動につなげることをいいます[2]食育大事典。
つまり、栄養素が身体の中に取り入れられただけでは、心身は健康になれず、栄養素をうまく身体の中で利活用し、循環させることができなければ、健康にはなれないのです。
「栄養素」と「栄養」の違い
簡単にここまでの話をまとめると、栄養素とは、食品に含まれている身体に必要な成分のことであり、それを活用し、筋肉や血液等の身体の構成成分に置き換え、生命活動につなげていくことを栄養と呼びます。
栄養素は「もの」で、栄養は「こと」なんですね。
つまり、栄養素が足りているから健康ということでななく、栄養素を適切に処理する栄養が行き届いている状態が健康となります。
栄養状態をよくする条件とは
栄養をよくする条件には、食物・運動・睡眠・環境等が挙げられます。
栄養剤に頼り、栄養素を摂ることだけで満足していると、栄養素を分解し吸収する能力が衰えます。あくまでも補助食品として上手に利用し、日頃の食事や生活習慣から健康な生活を心がけましょう。