七草のそれぞれの意味と栄養
七草粥には無病息災を願ったり、胃腸を休めたりする意味が込められていますが、七草一つひとつにも意味や栄養があります[1]日本クリニック株式会社『食養相談室』[2]キッコーマン『七草粥』[3]じゃらん『七草粥はいつ食べる?由来や七草の意味、地域での違いをご紹介!』。ここでは、七草について紹介していきます。
せり(芹)
競り合うように生えることから、この名前がついています。日あたりのよい渓流や水辺などでよく見られる多年草で、ビタミンC、鉄分、食物繊維を豊富に含み、貧血予防や整腸作用があるといわれています。
せりは、競り合うように生育する様子から、「(競争や勝負事に)競り勝つ」意味がかけられており、「食べると競り勝つことができる」という縁起物です。
なずな(薺)
アブラナ科の越年草で、小さな葉が三味線のバチに似ていることから、別名ペンペン草と呼ばれています。「撫でて穢れ(けがれ)を取り除く」という意味が込められています。
ビタミンB1、B2、ミネラル、食物繊維をバランス良く含んでおり、高血圧の予防や利尿作用があるといわれています。
ごぎょう(御形)
ごぎょうとは「仏様のからだ」という意味がある縁起物です。キク科の越年草で、別名ハハコグサ(母子草)と呼ばれています。鎮咳作用があり、風邪予防としても利用されてきた野草です。
はこべら(繁縷)
「繁栄がはびこる」とされ、縁起の良い野草です。道端や畑などに生えており、古くから薬草として親しまれています。
たんぱく質が比較的多く含まれ、ビタミンA、カルシウム、鉄などを豊富に含み、その栄養の高さから腹痛薬としても利用されていました。
汁で歯を磨くと、天然の歯磨き粉になるといわれ、歯槽膿漏の薬にもなっていたそうです。
ほとけのざ(仏の座)
仏様が座る「安座」に似ていることから、縁起が良い食べ物とされています。別称はタビラコ。食物繊維が豊富に含まれ、胃腸の働きを整える作用があります。
すずな(菘)
すずなとは、実は、カブのことです。すずなは、神を呼ぶ鈴に見立てられたことから「鈴菜」と書くこともあります。すずなの葉は、カロテンやビタミンC、E、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。根は、カリウムやビタミン、食物繊維のほか、消化を助けてくれるアミラーゼ(でんぷん分解酵素)を含み、胃もたれや胸やけを和らげます。
すずしろ(蘿蔔)
すずしろとは、ダイコンのことです。清白とも書き、「汚れのない純白」という意味があります。ジアスターゼを豊富に含んでおり、消化を助ける働きがあります。
さいごに〜七草粥を美味しくつくるポイント〜
おかゆは、米から、弱火でじっくり時間をかけてつくったほうがおいしくできます。おかゆが苦手な方は、炊いたごはんとお水を1:1でつくると、かために仕上がり、食べやすくなります。
七草は、別ゆでして、後からお粥と合わせると、雑味のない仕上がりになります。
七草は、スーパーなどで購入できますが、最近はフリーズドライのものもありますので、こういったものを活用するのもいいかもしれません。
ぜひ、1月7日は、七草粥で、身体の内側から休めていきましょう。