ごはんもの

七草粥はいつ食べる?七草粥に込められた意味や七草それぞれの栄養を知り、お正月の疲れた胃をゆっくり休めよう【日本の行事食シリーズ:人日の節句(1月7日)】

七草のそれぞれの意味と栄養

七草粥には無病息災を願ったり、胃腸を休めたりする意味が込められていますが、七草一つひとつにも意味や栄養があります[1]日本クリニック株式会社『食養相談室[2]キッコーマン『七草粥[3]じゃらん『七草粥はいつ食べる?由来や七草の意味、地域での違いをご紹介!。ここでは、七草について紹介していきます。

せり(芹)

競り合うように生えることから、この名前がついています。日あたりのよい渓流や水辺などでよく見られる多年草で、ビタミンC、鉄分、食物繊維を豊富に含み、貧血予防や整腸作用があるといわれています。

せりは受験のお供?

せりは、競り合うように生育する様子から、「(競争や勝負事に)競り勝つ」意味がかけられており、「食べると競り勝つことができる」という縁起物です。

 

なずな(薺)

アブラナ科の越年草で、小さな葉が三味線のバチに似ていることから、別名ペンペン草と呼ばれています。「撫でて穢れ(けがれ)を取り除く」という意味が込められています。

ビタミンB1、B2、ミネラル、食物繊維をバランス良く含んでおり、高血圧の予防や利尿作用があるといわれています。

ごぎょう(御形)

ごぎょうとは「仏様のからだ」という意味がある縁起物です。キク科の越年草で、別名ハハコグサ(母子草)と呼ばれています。鎮咳作用があり、風邪予防としても利用されてきた野草です。

はこべら(繁縷)

「繁栄がはびこる」とされ、縁起の良い野草です。道端や畑などに生えており、古くから薬草として親しまれています。

たんぱく質が比較的多く含まれ、ビタミンA、カルシウム、鉄などを豊富に含み、その栄養の高さから腹痛薬としても利用されていました。

汁で歯を磨くと、天然の歯磨き粉になるといわれ、歯槽膿漏の薬にもなっていたそうです。

ほとけのざ(仏の座)

仏様が座る「安座」に似ていることから、縁起が良い食べ物とされています。別称はタビラコ。食物繊維が豊富に含まれ、胃腸の働きを整える作用があります。

すずな(菘)

すずなとは、実は、カブのことです。すずなは、神を呼ぶ鈴に見立てられたことから「鈴菜」と書くこともあります。すずなの葉は、カロテンやビタミンC、E、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。根は、カリウムやビタミン、食物繊維のほか、消化を助けてくれるアミラーゼ(でんぷん分解酵素)を含み、胃もたれや胸やけを和らげます。

すずしろ(蘿蔔)

すずしろとは、ダイコンのことです。清白とも書き、「汚れのない純白」という意味があります。ジアスターゼを豊富に含んでおり、消化を助ける働きがあります。

さいごに〜七草粥を美味しくつくるポイント〜

おかゆは、米から、弱火でじっくり時間をかけてつくったほうがおいしくできます。おかゆが苦手な方は、炊いたごはんとお水を1:1でつくると、かために仕上がり、食べやすくなります。

七草は、別ゆでして、後からお粥と合わせると、雑味のない仕上がりになります。

七草は、スーパーなどで購入できますが、最近はフリーズドライのものもありますので、こういったものを活用するのもいいかもしれません。

 

ぜひ、1月7日は、七草粥で、身体の内側から休めていきましょう。

【基本】予防食学7か条予防食学7か条 腹八分目が最高のダイエット 自然のもの、自然に近いものを食べる 多様な食材を、よく噛んで味わう ...

 

References

1 日本クリニック株式会社『食養相談室
2 キッコーマン『七草粥
3 じゃらん『七草粥はいつ食べる?由来や七草の意味、地域での違いをご紹介!
1 2
ABOUT ME
髙橋菜里(管理栄養士・食養家)
しょくすり運営者。食が豊かになれば人が豊かになる、人が豊かになれば社会が豊かになるを信念に、食からはじめる健康管理(=予防食学)を発信しています。「大切なひと・もの・ことを健康にするお手伝い」を仕事としており、サイト管理運用をはじめ、商品やレシピの開発、食と健康講座、講演、電子書籍、コラムの執筆など幅広く活動中。著書に「がんばらないおせち」